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花菱落つ
第7章 廃嫡
 信玄は義信に蟄居を命じる中、駿河攻めの準備を着々と重ねていった。

 手始めに、越中の抑えのため、本願寺顕如と正式に同盟を結んだ。信玄は仏教にも造詣が深く、さらに顕如の室は信玄の正室三条の方の実妹であり、顕如とは元より義兄弟の間柄であった。

 そしてそのまま夏が過ぎて九月、義信の廃嫡を決定づける出来事が起こった。

「織田殿、よくぞお越しくだされた」

 重陽の節句にあたる九月九日、信玄の元へ織田忠寛が信長の使者として訪れた。

「我が主君信長様が、姪である遠山の娘を養女とした上で、諏訪勝頼様に是非とも娶せたいと仰せです。どうかご検討いただきたくお願い申し上げまする」
「これは願ってもない良縁。信長殿にはよしなにお伝え願いたい」

 信長が申し入れて来たのは、勝頼と信長の姪である姫との縁談であった。勝頼は現在母方の諏訪家を継いではいるが、近々義信が廃され、勝頼が武田家の世子になるという噂を信長は聞きつけたのだろう。駿河に接する尾張の織田との同盟は、今川攻めに欠かせぬものであった。織田が今川に援軍を送るようなことになるのは避けなければならない。

「かしこまりましてございます。確かにお伝えいたします」

 すぐに両家の間で詳細が詰められ、輿入れが十一月十三日と決まった。

 義信は織田の姫が勝頼に輿入れする前の十月、正室と離縁させられ廃嫡となった。それに伴い義信の身柄は西曲輪から東光寺へ移されることとなった。
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