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花菱落つ
第7章 廃嫡
「もう決めてしまわれたのですね。ならば私は義信様のお心に添うまで」

 大名の姫に生まれた正室にも、自由というものはなかった。女性であるがゆえに常に親に従い、夫に従い、老いては子に従うことを余儀なくされた。それでも正室は父にあてがわれた夫を愛し、ともに生きる決めた。それが一人の女性として、正室にできるすべてだった。

「愛している、松」
「私もです、義信様」

 義信は正室の名を呼んだ。敬称で呼ばれることの多い身分の高い女性にとっては、めったに呼ばれることのない名だ。正室、松は恥ずかし気に頬を染め微笑み義信を見つめた。繋がったまま名残り惜しむように口づけを交わす。

 自らの人生を選び取る自由を持たない二人は吸い寄せられるように互いを愛した。だがそれが二人できる精一杯のことだった。
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