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堕天使 1st gig.
第30章 レセプション
海外派兵は外科がやはり重要になるが、演習は外科はほとんど必要なく内科のじい様には晴れ舞台になるらしい。

常に兵士の為に必死に健康管理を考えるじい様は俺に

『お前さんみたいに滅多に医務室に来ない薄情な兵士が一番だ。』

といつも笑っていた。医務室を俺が出る時にじい様が

『理由はわからんが、食堂のカレーは食うなよ。現地兵は平気なんじゃが、夕べ日本兵が2人下痢になったからな。多分、日本人には合わない香辛料が使われとる。』

と笑って言っていた。食堂は今や万国博覧会のような食事が用意されている状況だ。珍しいからと迂闊によその国の料理を食えば痛い目を見るとじい様が忠告をしてくれていた。

『了解。』

と俺はじい様に感謝してから医務室を出ていた。夕方前までは俺は部屋に居るだけだった。夕方になる前に宗司が俺を迎えに来て

『そろそろ行きますよ。』

と言っていた。リナ達を空港に迎えに行く為だった。小さな島だから、リナは本島で飛行機を乗り換えてこの小さな島用の小型機でやって来る。

外出許可を取り、空港へ向かうと出口から青い顔で出て来たリナが

『小さい飛行機って最悪…。』

と言っていた。

俺らの輸送機よりマシだろ…

とは思うのだが、リナから美優を引き取りリナとは違いご機嫌の美優に

『お前は大丈夫か?』

と聞いてみた。美優は元気よく

『あー!』

と叫ぶから、やはり美優はどこかが俺に似たんだとか俺は思ってしまっていた。

リナ達を連れてリナ達が泊まるホテルに行くとリナ達の部屋はビラとかいうホテルの離れになる戸建ての個室になっていた。

『お前は中将以上の上級指揮官か!?』

と俺がリナに叫ぶとリナはケラケラと笑いながら

『美優が小さいから泣いたりしてホテルで気を使うと可哀想だからって今回だけ特別に上級扱いになったんだよ。』

と言っていた。

俺と宗司は仮設の兵舎だぞ…

そう言ってやりたくなるが、いくらジャグジー付きでプライベートビーチが目の前という贅沢な部屋でも、結局リナは美優と2人で待つだけの2週間を過ごすとか思うと文句とか言えなくなる俺だった。
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