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堕天使 1st gig.
第31章 自由
朝からジャグジーとか贅沢だとか思っていたらリナも来て

『3人のお風呂は初めてだね。』

と笑っていた。美優がジャグジーの泡にキャッキャッと興奮して水飛沫を飛ばし暴れるから

『いい加減にしないと溺れるぞ!』

と俺は叱るがやはりそれは無駄だった。3人で風呂を出て、美優にミルクだけは飲ませてから俺とリナは朝食兼昼食の遅い飯にホテルの本館へ向かっていた。

美優は基本、腹が減ったとか騒ぐ子ではなく、ミルクは貰える時に貰えれば気にしない子だから、俺とリナは時々休暇中はいい加減な食事になる。

リナは

『離乳食が始まったら、あんまりいい加減な事は出来ないけどね。』

と笑っていた。ホテルのレストランは朝から昼まではビュッフェスタイルだった。リナが俺の飯を取りに行く間、俺は美優にスプーンを舐めさせて遊んでいた。

そんな俺に

『まさか、子供まで居るとはね。』

と嫌味に話しかけて来る奴がいた。「貧乏くじ」が俺のテーブルの隣でコーヒーを飲んでやがった。俺は貧乏くじに

『相変わらず、1人なんだな。』

と言っていた。貧乏くじは上官には腰巾着のようについて回るが部下とは食事などをしないからいつも1人っきりで居るような奴だった。

リナが来て俺に

『どなた?』

と一応かしこまって聞いて来るから俺は

『俺の上官殿。』

とだけ答えてやる。リナには赤い顔をする貧乏くじは

『失礼するよ。』

とすぐに立ち去っていた。リナが俺に

『もしかして…、仲が悪い?』

と聞くから俺は

『昔、戦場で殴った覚えがある。』

と答えていた。リナは呆れた顔をしたが俺はご機嫌の美優を抱えて飯を済ませていた。

ホテルのロビーに一応島のガイドがあったからリナと美優を連れて行けそうな所を探して見た。

ほとんどが海をメインにした観光ばかりで、サーフィンやスキューバダイビング、後は海のモータースポーツなど、明らかに0歳児には無理なものばかりだった。

唯一、観光船で船底から海の中が見れるとかいうツアーがあり、リナが

『行ってみる?』

と言うから行く事にしてみた。
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