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堕天使 1st gig.
第32章 防衛
作戦開始の15分前、俺は自分の配置ポジションで目を閉じてまずは暗視ゴーグルを装着する。電源が落ちた暗闇に対応する為だ。次に

『雪、ライブ開始のカウントは15で頼む。』

と無線で指示を出す。それからハヤトに

『鷹、派手な花火を期待する。』

と言っていた。ハヤトは

『任せて下さい。』

と少し興奮しているようだった。小雪のカウントが

『15…14…13…。』

と始まっていた。俺は暗視ゴーグルの上から更にガスマスクを装着して、裏口の前の地面ギリギリにしゃがみ、身体を低くしていた。

『2…、1…。』

とカウントが0のタイミングで俺達の頭上を小型ミサイルが飛んでいた。ハヤトが裏口に向けてロケットランチャーをぶっぱなしたからだ。

ドンッ!

と鈍く響く音と爆風を浴びながら

『突入だ。』

と俺はまだ煙が上がり、破壊されたばかりの裏口から突入していた。ハヤトがぶち込んだランチャーのミサイルは火薬の代わりに催涙ガスが装備されているものだ。

家の中は一気に催涙ガスで充満し、武装集団が次の判断に入る時間を俺は稼いでいた。

建物はコンクリート造りだ。ちょっとやそっとのミサイルでは崩れないと判断した俺は立派な玄関では難しいが安物の裏口ならランチャーでトラップごと破壊出来ると判断していた。

2階に向けてもハヤトは催涙ガスのランチャーミサイルを飛ばし、家中がガスで満たされる中俺は一気に2階に向かって走っていた。

1階は涼宮と雄太が駆け付けている。逃走を考えれば1階がお偉方、2階は家族と人質の価値で別れているはずだ。俺が階段を登り切った瞬間、俺の前の扉が開き男が飛び出して来る姿が見えた。

対応が速ぇよ!

そう言いたくてもガスマスクでどうせ言えないままに、飛び出して来た奴の手には拳銃が見えたから俺と宗司は容赦なくそいつに向かって拳銃を撃っていた。銃声が響き、更にもう1人が飛び出して来たから宗司がそいつを押さえ込んで銃を頭に突きつけていた。

そいつは目が開けられないようで部屋の中からも悲鳴と咳き込む声がしたから俺は部屋にゆっくりと入っていた。

部屋の中には人質の娘2人と家政婦だけだった。確保の無線を俺が飛ばそうとした瞬間、雄太から先に

『確保~!』

と言われてしまっていた。
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