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堕天使 1st gig.
第3章 現場
まだノイズが残る中、俺の問いかけに対してγリーダーが

『報告します。何らかの爆破で中継局は半壊、ただし人的被害は無し、繰り返す中継局は半壊、人的被害は無し。』

と報告をして来た。人的被害は無し…、つまりγは全員無事だ。隊員の無事を確認して少し落ち着いた俺はγリーダーに

『現場を消防と所轄に引き継ぎ、γはβと合流しろ。繰り返す、引き継ぎ次第、γはβと合流だ。』

と冷静に無線で指示を出す。γから了解と返答が来てから俺は仮設本部に戻っていた。

爆破されてしまった以上、軍は何も出来ない。人的被害が出ていれば、レスキューの態勢は取るのだが被害が無い場合は、その現場は所轄と消防に戻すしかないのが軍だ。

本部に入った俺に宗司が

『戒厳令の発動が完了しました。』

と報告して来ていた。今はテレビやラジオでは一斉に戒厳令の発動を報じている。暗闇をウロウロする奴はテロの扱いで軍に取り押さえられ尋問される状況だ。

リナ…、頼むから今は家から出るな!

いつもなら絶対に考えるはずのない事を俺は苛立ちながら考えてしまう。考えても仕方がないから仕事に集中する為だけに俺は仮設本部に居た小雪に

『どうだった?』

と聞いていた。小雪は

『とりあえず、停電までに1分間だけ中の状況は撮影したからその映像から解析中だよ。』

とパソコン画面に偵察機で録画した映像を映し、拡大したりしながら犯人の映像を俺に見せて来た。

キャップ帽を被った小柄で痩せた犯人、髪が長く、顔は帽子のツバで影になりあまり鮮明ではなかった。だが犯人の足元に居る5人の人質の状況も確認した。

映像はそこですぐに暗闇に変わっていた。俺は小雪に

『厳しいが頼むぞ。』

とだけ言っていた。小雪の解析を元に突入が可能かを俺が判断する。しばらくすると宗司が

『最新の状況報告です。』

と俺にノート型タブレットを渡して来た。まずは半壊してまだ火の手が上がっている中継局の写真、電力会社からの被害報告と復旧報告などだ。

普段ならそんなものまともに見ない俺が今日に限って被害報告を確認してしまう。停電の被害エリアにはしっかりと俺の家が入っていた。

『チッ…。』

いつもなら頭で鳴らす舌打ちをモロに出して不機嫌を表わした俺に宗司が

『大丈夫ですか?』

と不信な顔を向けて来ていた。
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