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堕天使 1st gig.
第36章 未来へ
正直、この几帳面に書かれた科学者の日記を俺なんかが読めるのか?という不安と宗司や五十嵐になら知られても構わないという気持ちがあったのだが、五十嵐と宗司は俺から離れ、台所の前にあるテーブルで2人でコーヒーを飲み始めていたから俺は1人でその日記を読む事にした。

まずは一番古い日付けの日記からだった。日付けは大戦の20年も前のもので市ノ瀬が国の研究施設でやっと自分がやりたい研究に予算が出たと張り切って書いた記録のようなものだった。

研究内容の詳しい事は俺の悪い頭には全く理解出来ず、市ノ瀬は人の遺伝や本能などについて様々な研究をしていた事は理解した。

始めは動物実験などで本能で食事を取る習性などがどのように遺伝されていくのかとか脳のどこにそういった情報が蓄積されるのかを調べつくしているようだった。

市ノ瀬の実験開始から1年後、市ノ瀬はある被験者との出会いを日記に綴っていた。

「彼女は希な遺伝子の持ち主だ。俗に言うアルビノ遺伝子を所有する極希なケースの遺伝子だ。本来、アルビノとは遺伝ではなく、遺伝変異という特殊条件のものがほとんどだが、彼女の一族はそのアルビノを遺伝するという遺伝子を所有しているのだと彼女が私に言うではないか…。」

という市ノ瀬の被験者に対する驚きと興奮が書かれていた。読み進めると

「アルビノ遺伝子が原因だとは思うのだが、彼女は夏の気温に耐えられない体質で下手をすれば太陽光でも火傷するほど皮膚が腫れたりする事がある。」

とか

「彼女の祖母はサングラスをしなければ太陽の下に出る事が出来なかったと彼女は言うが彼女の母親は父親の優勢遺伝を受け継いだのかそこまでの酷い症状はなかったと聞いた。」

とそれまでは遺伝子ナンバーや遺伝子情報など科学的な話しばかりだった日記が被験者である女の話しばかりに変わっていった。

それらの話しを読んでいくとどうやらアルビノは本来遺伝するはずがないもので、市ノ瀬の今までの研究では優勢遺伝、つまり色が濃い遺伝が優勢されるはずなのにその被験者の女性の遺伝子は何故か優勢遺伝で他の優勢遺伝を上回るという話しがやたらと多かった。
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