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堕天使 1st gig.
第4章 苛立ち
こういう時は必ず一番落ち着きがない雄太が

『暇っす…。』

と俺にじゃれて来る。俺は2課の部屋を見渡しながら

『ハヤトは?』

と雄太に聞くとやはり暇なのかハヤトのバディの小雪が雄太よりも先に

『あまりにも暇だからってジムに行ったよ。』

と答えて来る。だから俺は

『暇ならお前も自主トレにでも行きやがれ。』

と俺にしがみつく雄太を引き剥がす。狭い部屋に暇そうな隊員がうじゃうじゃ居る状況に落ち着かない俺は宗司に

『学校のグランドに行く。』

と言って2課の部屋を出ていた。いつもなら黙ってついて来るはずの宗司だが俺が1人になりたいのを察した時は

『いってらっしゃい。』

とだけ言って宗司はついて来ない。学校側には滅多に俺から近寄る事がないから、自主トレにハヤトが居る本部のジムでなく学校を俺が選んだ段階で宗司は俺が1人になりたがっていると判断していた。

至れり尽くせりで察しがいい俺のバディはまさに女房の鏡だ。そんな事を考えながら俺は地下通路を抜けて学校側へ出ると真っ直ぐにグランドに向かっていた。

グランドには先客が居て、たった1人でそいつはグランドを走っていた。支倉 大地か…、と既に走っている訓練兵を俺は見ていた。

大地の事を考えながら、俺は軽く柔軟を済ませてから大地と同じように走り出す。戒厳令中は訓練学校も閉鎖になり訓練兵は宿舎に待機の扱いになる。

その訓練兵が1人だけ閉鎖中の学校のグランドに居るという事は、宿舎の監督兵にわざわざ自主トレの許可を取って宿舎から出て来たという事だ。

この段階で俺は大地が2週間の俺の振り分け訓練のトップを取り続けるタイプだと判断していた。

どうやら大地には訓練よりも先に手抜きを教える必要があるな…、そんな事を考えて約1kmを俺は走ってからグランドの端に座っていた。

自主トレはあくまでも身体が鈍らない程度にしかやらない。やり過ぎて身体が疲れ切ってしまったら、次の緊急が来た時に対応が出来なくなるからだ。

つまり、大地のように常に張り詰めてトップを取ろうとする奴より、多少の手抜きでも余力を残している奴の方が実戦向きだと言えるのだ。
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