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堕天使 1st gig.
第4章 苛立ち
とりあえず、今は自由になった以上、俺はリナの安否確認が優先事項だ。だから俺は車を飛ばして家に帰っていた。

家のドアの鍵がちゃんとかかっているのを確認して俺は家の中へとゆっくりと入っていた。まだ昼前だというのに薄暗いままの部屋に俺は

まさか居ないのか?

と一瞬、不安になっていた。だが部屋の奥に微かに人の気配がする。俺がその方向に目をやると部屋の隅に顔を伏せ、うずくまったままのリナが居た。

そんな風に暗闇で空腹のまま帰らない人間を待ち続ける子供の姿を俺は嫌という程に知っている。その苦痛と同じ感覚をリナに俺が味あわせてしまったんだと俺はリナに対して少し罪悪感を感じていた。

15年前の自分の姿と重なる今のリナに向かって俺は

『リナ…。』

と声をかけてみた。リナはボサボサの髪のまま、ゆっくりと顔を上げ、俺が本当に居ると確認したように、ゆっくりと、そしてまたしても幽霊のように立ち上がり、フラフラと俺に近付いて来ていた。俺はもう一度

『リナ…。』

と言ってリナに手を広げてやる。リナは簡単に俺の腕の中に収まると一気に

『ウワァァァァ…。』

と声を出して泣き出した。俺は興奮して泣くリナを抱き上げてリナの背中を擦りながら

『悪ぃ、戒厳令が出ちまった。』

と自分が出した戒厳令を言い訳に使ってリナに言っていた。リナはひたすら俺を責めるように

『アル…、ヒック…、帰って…、来ない。ヒッ…、真っ暗…。』

と泣きじゃくって俺に文句を言い続けていた。しばらくはリナが納得するまでは俺はリナに言わせたいだけ言わせてリナを撫でていた。なんとかリナが少しは落ち着いた頃、俺は部屋の中とリナの状況を確認した。

部屋のゴミは俺が家を出た時のままだった。リナの方は俺が家を出た時と同じ姿のままで目が腫れて少し薄汚れている感じだった。

『お前、まさかこの2日間飲まず食わずか?』

と俺は少し呆れてリナに聞いていた。まだ不安定なリナが

『だって…。』

と再びボロボロと泣き始めるから俺はリナの頬に軽くキスしてやっていた。俺の行動に驚いたリナが目を見開き

『アルト?』

と不思議そうに聞いて来る。俺はリナの頬にキスしたまま

『1人で暗い中をちゃんと俺を待ってたんだろ?だからご褒美だ。これ以上泣いたらブスになるぞ。』

と笑って言ってやっていた。
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