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堕天使 1st gig.
第4章 苛立ち
そんなくだらない事をする俺にリナが微かに笑っていた。もう大丈夫だろうと思い、俺は抱き上げていたリナを下ろし、台所に行こうとするとリナが慌てて俺にしがみついて来る。俺が

『大丈夫だから、2日間は俺は休暇でリナの傍に居てやれるから。』

と説明してもリナは口をへの字にして俺にしがみついたままだった。仕方なくまだ落ち着かないリナをぶら下げたまま俺は冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを出してまずはリナに飲ませていた。

それから俺は台所の戸棚を開け、今まで全く使わなかったコーヒー用のマグカップと片手鍋、それに軍から支給された缶詰のスープを見つけていた。

鍋を洗って缶詰の中身を温めて、洗ったカップにスープを入れる。味は2の次だが、栄養だけは確実に取れるスープを俺は床に座ってリナを膝に乗せてからリナに渡して

『とりあえず飲め。』

と言っていた。リナは小さく頷くと俺の膝の上で大人しくスープを飲み始めていた。

多少俺がリナを泣かせた事はともかく、お互いちゃんと生きてた事に俺は少しホッとしていた。とりあえず薄汚れているリナに

『それ飲んだらお前は風呂入れ、その間に俺がなんかコンビニで買って来てやるから。』

と言ってやる。だけどリナは青ざめた顔で

『やだ!』

と叫ぶように言い出した。

『俺がコンビニに行かなければうちにはもう食うもんがないぞ。』

『やだ!』

そうやってリナが譲らない。どうやら俺が出かけるとまた帰って来なくなるとリナは怯えているらしい。まだそれを上手く言葉で説明が出来ないリナは今はただの駄々っ子のようにしか振る舞う事が出来なかった。

リナの心配は理解出来るのだが、戒厳令の後はしばらくは街中が警戒態勢に入り、そんな簡単にテロも活動をしない。

つまり、俺が再び軍から緊急の呼び出しを受ける可能性は極めて低い状況なのだが、それでもリナはそんな軍の事情をまだ理解は出来ない。俺はため息をついてから

『なら、お前が風呂から出たら一緒にコンビニに行く。それならいいのか?』

とリナに聞いてみた。リナが小さく頷くから俺はさっさとリナを風呂に促していた。リナが風呂に入る間、俺は部屋のゴミを片付け、洗濯をしていた。
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