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【Onlooker】~サラが見たもの~
第6章 共にする、一夜?

 サラの実家は、昔ながらの田舎の平屋建ての木造家屋であり。サラが小学校に上がった頃をきっかけとして、夜に寝る時、両親とは襖一枚を隔てた四畳半の和室に布団を敷いて一人で寝るようになっていた。

 期せずして思い出していたのは、そんなある夜の出来事だった。

 田舎の夏は夜になると涼しくて、風通しの良い家にはエアコンなどを必要に思うことはあまりなかったけれども。それでもその夜は寝苦しく感じて、窓を細く網戸にしていた。

 そうして夜風に頬を撫でられながら、サラが健やかに寝息を立てていた時のことだった。


 シュワシュワ――シュワシュワシュワ――。


 耳を障るその音は、断続的に徐々にはっきりと聴こえた。畳の上を擦るようにして、その気配はサラの元に迫って来ているようだった。

 はっとして慄き飛び起きたサラは部屋の電気を点けて、その音の正体を確かめた。すると、畳の上を這って来ていたのは、全長一五センチはある大きな百足(ムカデ)。

 その禍々しい黒光りのうねる造形。それが自分の布団の中、あまつさえ寝間着の中にまで侵入を果たし、肌に絡みつく――。

 咄嗟にそのような場面を想像し、幼いサラは身の毛がよだつ思い。小さな身体をこちんと硬直させ、泣き叫ぶようにして隣の部屋で眠る両親に助けを求めた。

 驚き駆けつけた父は、娘を怯えさせている元凶を畳の上に認めた。そうして、部屋の隅に積まれた雑誌を一冊手にすると、それを固く丸めて百足を打ち付けようと大きく振り上げた。


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