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【Onlooker】~サラが見たもの~
第8章 危険な、遊技?


「私ね、前から思ってたんだけど」

「は、はあ……?」

「黒木くんって、結構いい男よねー」


 ソファーの上。そう言って自然と近づきつつある零子の顔に、ようやく黒木はハッとしている。

 期せずして押し倒されたこと。その流れのままにキスされそうな、そんな距離まで接近した紅い唇に焦ったのだろう。


「どっ、どうしたんすかっ――急にっ!」


 黒木は零子の肩に自分の手を置き、それを突っ張るようにして覆い被さる零子の身体の下から、自分の上半身を引き抜いた。

 そうしたことで、急接近していた危険な唇を遠ざけることには成功。が、そうしたことにより、状況の危険度としては寧ろ悪化傾向なのかもしれない。


「あら、ふふ」


 そんな風に顔を綻ばせた零子の目の前には調度、黒木の股間の辺りが位置してしまっているのだった。

 スーツのズボンの太ももの辺りから、俄かに両手を擦り上げるようにされ――。


「しゃ、社長……ホントにもう、勘弁してくださいって……」


 黒木がおそるおそると様子を窺うのだが、どうやら零子の方はその言葉に耳を貸すこともなく――。


「早漏なんて、そんな気にすることないのよ。ほぉら、お姉さんに見せてごらんなさい」


 色っぽい感じでそう囁きかけながら、零子の指先がズボンのチャックを摘まみ、それを徐に下げようとしている。


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