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【Onlooker】~サラが見たもの~
第8章 危険な、遊技?

「ふふ、そんなに怒らないで」

「だ、だって……」

「でも、怒った顔もとってもカワイイ」

「ま、また……」


 またしても自分に纏わりつく零子から、逃れようとするサラ。だが、後から抱き止められると、耳元に息を吹きかけられた。


「れ、れいこさ……やぁ!」


 背後から艶めかしく胸や腰の辺りを弄られると、サラは思わず身もだえをしている。

 そんな姿を見せつけるようにしながら、サラの肩越しに零子は言った。


「ね、しってるのかしら」

「なにを、ですか?」


 目を合わされ話をふられた咲花は、訝しげな様子。


「こんな顔して、サラちゃんはね――とってもテクニシャンなの」

「テクニシャン?」

「もちろん――夜の方、という意味で。性的な魅力といった方が適切かしらね」

「アハハ、その娘がぁ? そんな風には、ぜーんぜん見えませんけどぉ」

「でも、実際にそうなのよ。咲花――少なくとも、あなたよりも、ずっと」


 ぴく――と、咲花は不快さを、その細い眉の動きに表している。


「零子さんにしては、つまらない冗談ですねぇ。なにを根拠に、そんな風に言ってるわけ?」


 すると、そう問われた零子は――


「だってサラちゃんは――」


 紺野涼を指差して、言う。


「この男(ひと)のこと、いかせているのよ」

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