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【Onlooker】~サラが見たもの~
第8章 危険な、遊技?

「……!」


 紺野がその名を口にしたことで、サラはギクリとしていた。そう、サラが失念していたのは、正にその点なのである。

 サラはおそるおそると、後ろ振り向くが――。


「別に……」


 ソファーから立ち上がっていた黒木は、険しい顔で紺野を見据えた。その言葉とは裏腹に醸し出された険悪なムードを感じ、サラの背中に冷や汗が滲む。

 紺野とのあの夜のことで、只でさえ黒木との間にギクシャクしたものを感じていたのに。それがこのような形で、それも一番誤解を生じさせる部分だけを切り取るように伝えられてしまったことに、サラは焦ったのだ。


「そもそも紺野さん――なんで俺に、その話を振るんすか?」

「君が一番、興味を示したように見えたから――だけど」

「じゃあ、それは誤解です。俺はそんなこと、知りたくなんかねーっすよ」

「そう? なら、よかった。どの道、誰にも話すつもりはないしね」

「……」


 そんな会話の交わしながら、尚もピリピリとしたものを感じさせる二人。

 しかし、直後――。


 ドン!


 テーブルの上に、ヒールの足を乗せ、不快な感情を顕にしたのは、咲花だった。


「なんなの……一体?」


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