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第3章 結婚生活

それまで私が携帯を持たなかった理由はただ１つ。

束縛されたくないから。


営業マンとゆう仕事柄
ずっと以前から携帯を持っていた主人は
お客さんや会社からの連絡の度に走り回っていた。

それを見ていたせいか
携帯を持つということは
自由な時間をなくすことのように
思っていたところがある。


けれど、いざ持ってみると意外に便利で
保育園へのお迎えの時間が遅れるときも
簡単に連絡できるし

必要のないときは音を切るか
電源を切っていれば
わずらわしいこともなかった。

このときは
便利な道具を手に入れた。
――としか思っていなかったけれど。

あるとき
知らないうちに手が触れてしまったのか
急に画面が切り替わった。


暫くして
表示された画面を見ながら
適当にページを開いていく。


大袈裟な表現かも知れないけれど
そこには私の知らない世界があった。


そこから適当なものを選んで
マイページというものを作ってみた。

ただ、なんとなく。

ごく普通の自己紹介のようなもの。


このときは
お友達が出来ればいいな…くらいの

安易な気持ちでいたのだった。