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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第9章 京都の彼…再会

彼の車を見送った後
私はしばらく
その場所から動けないでいた。


ほど良い倦怠感の残る身体に訪れた深い悲しみは
どんどん大きくなり
私の心の中に広がっていくようだった。


きっと深く付き合うほどに
もっと辛くなっていくんだろう…。


私は運転席に座り
後部座席で寝ている娘を見た。


何も知らずに
すやすやと寝息をたてていて
起きそうな気配はない。


もしもまた
夜に彼と逢うのなら
同じようにドライブだと嘘をついて
連れてくることになるだろう。



罪悪感を天秤の片方に乗せてみると
もう逢わない方がいいのかも知れないと思う私がいた。



けれど
理性ではわかっていても
感情がついてこない。



彼に逢えなくなることを想像するだけで
身体が引き裂かれるような痛みを感じる。



私はそっとサイドブレーキを下ろすと
ゆっくりと車を発進させた。



帰る道中
運転しながらも
ずっと彼のことを考えていた。



暖かく広い胸
私を抱きしめる逞しい腕
優しいキス…。



彼のことは好きだけれど
やはり2時間の道のりは遠かった。



気の遠くなるような距離が
私を現実に引き戻す。



もう少し近ければ
また私の考えも変わったかも知れないけれど…。



もしも今後
彼には逢わないとして
私は想い出だけで生きていけるのだろうか?



暴力夫との
愛のない家庭に縛られたまま
生活に疲れた家政婦として一生を終えるのだろうか?



…そんなことを考えただけで
背筋が寒くなった。



やっぱり私は女でいたい。


女として愛されたい。


ただそんなことを
漠然と考えながら運転していた―――。




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