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隷吏たちのるつぼ
第5章  第四章 口開く陥穽
第四章 口開く陥穽





 職員用の駐車場は庁舎の裏手に来庁者とは別で設けられている。自動車通勤をしている職員は多く、平日はほぼ埋まってしまうのだが、閉庁している日曜の午後では、ところどころにしか駐まっていない。

「うっ……」

 車を降りるなり躓いた。よくぞ事故なく辿り着けたものだと思った。

 ──征四郎を破滅させてやろうと訪れたホテルで、返り討ちにあってしまった。

 姦されたのだ。

 肉棒は体内に埋まるや暴れ回り、牝室を毒汁でいっぱいにした。ヒップに手を付いていた征四郎が、腰を震わせながら幹を抜き取ると、逆さを向いた下腹を夥しい白濁が流れ落ちてきた。体に粘りつき、肌から侵食してくるようなヌメリ。真っ先に秀之の顔が頭に浮かんだ。汚濁の汁は、彼のために闘おうとして敗れた、贖いの証だった。

 しかし、もう敗辱は十分と言えたのに、征四郎は解放してくれなかった。

 ビィーッという音を聞き、涙に歪んだ視界の中に奴の姿を探すと、ビニールテープを両手にピンと張っているのが目に入った。

「も、もうやめて……」
「やめてください、だろ?」
「やめて、……ください」
「くくっ」
 脚が畳まれ、ソファの肘掛へ括りつけられる。「やめねえよ、ユカリン。まだまだな」

 脚までも固められ、W字の格好で閉じることができなくなった。しかも征四郎は、屈辱的な姿勢を強いた上に、大きく×印を描いてテープを貼り付け、包皮をめくった肉蕊へローターをしっかりと留めた。

 一仕事終えたように満足げに立ち上がると、悪辣な笑みで悠香梨を見下ろしつつスイッチを入れる。

「ンアウッ!」

 最初、反射的に声が出たが、マッサージ器に比べれば優しい振動だった。

 だが、優しすぎた。
 物足りない。早々に体がそう訴え始めた。性髄が剥き出しの場所へ送り込まれる微細な振動は、爛れるような疼きを牝の器官のすみずみまで広げてくる。しかしあくまでも、蔓延らせる、だけなのだ。決して、発散の段階までは進ませてくれない。虚ろをつかもうと動く襞面に淫熱が漂うばかりだった。
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