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鬼ヶ瀬塚村
第13章 人間道
昼食、冷やし素麺を出された。
居間のちゃぶ台を囲むのは、僕と吾郎さんとカヤさんと紗江さんだ。
邦子さんは部屋で横になっているらしい。
達弘さんの姿はないし、真理子さんもいない。
なんだか静かで居心地の悪い空間だった。
特に僕の正面に座った紗江さんが不機嫌そうだったからだ。
『はよ食っでくれんね?あたしさっさど和幸に乳やりに二階戻りでぇんだ。皿洗いさせでぐれんが?』
執拗に僕にさっさと食べるよう言うのだ。
『まっだぐよぉ、あのクソ亭主はどごほっづぎ歩いでんだが…飯には来ねぇ、仕事場にもいねぇ、暇だっだら家の事手伝っで欲しいばッ!』
吾郎さんが
『手伝っで欲しげりゃ、もっど色っぺぇ娘ッ子になれ』
と笑った。
紗江さんは舌打ちし、吾郎さんから素麺が入った椀を取り上げると真っ赤な顔で吐き捨てるように言った。
『やがまじなッ!あんな役立たずのだんこの為になで色気ばいるんだッ?』
『おぉ~ッ怖ぇ怖ぇ、へへッ退散すっか』
吾郎さんは煙草を咥えると、ヒョイと立ち上がり縁側へパタパタッと向かう。
そして転がっていたサンダルを履くと、とても年寄りとは思えない機敏な動きで、庭を走って行った。
『流石だわ、クソ亭主に似どるわ………おめもいつまで食っでんだッ!?さっさと部屋にけぇれよッ!』
居間のちゃぶ台を囲むのは、僕と吾郎さんとカヤさんと紗江さんだ。
邦子さんは部屋で横になっているらしい。
達弘さんの姿はないし、真理子さんもいない。
なんだか静かで居心地の悪い空間だった。
特に僕の正面に座った紗江さんが不機嫌そうだったからだ。
『はよ食っでくれんね?あたしさっさど和幸に乳やりに二階戻りでぇんだ。皿洗いさせでぐれんが?』
執拗に僕にさっさと食べるよう言うのだ。
『まっだぐよぉ、あのクソ亭主はどごほっづぎ歩いでんだが…飯には来ねぇ、仕事場にもいねぇ、暇だっだら家の事手伝っで欲しいばッ!』
吾郎さんが
『手伝っで欲しげりゃ、もっど色っぺぇ娘ッ子になれ』
と笑った。
紗江さんは舌打ちし、吾郎さんから素麺が入った椀を取り上げると真っ赤な顔で吐き捨てるように言った。
『やがまじなッ!あんな役立たずのだんこの為になで色気ばいるんだッ?』
『おぉ~ッ怖ぇ怖ぇ、へへッ退散すっか』
吾郎さんは煙草を咥えると、ヒョイと立ち上がり縁側へパタパタッと向かう。
そして転がっていたサンダルを履くと、とても年寄りとは思えない機敏な動きで、庭を走って行った。
『流石だわ、クソ亭主に似どるわ………おめもいつまで食っでんだッ!?さっさと部屋にけぇれよッ!』