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私は女優よ!
第7章 素と錯乱は紙一重
 

 「このまんま終わりになんてさせない!」

 「えっ!?」

 さっきまで弱々しかった三宅環の表情が一瞬で変わった。
そして、強気な瞳や口調となり、私を驚かせる。

 「生きてれば、殺してやりたい人間なんて一人や二人巡り合うだろ?
でも、そういう奴に限って中々死なないんだよ。
図太く生きて、人を傷つけて、それすらも当たり前で、こっちが心から血を垂れ流しにして苦しんでいても、そんな事にはお構いなしで、気づく事もなくのうのうと生きるのさ。
標的にされた人間はさ、心を壊しながら闇の中に墜ちてゆくんだよ。
何故、自分がこんな目に遭うって自問自答しながらね。
世の中、腐った人間が弱い人間をストレスの捌け口にして気分転換してさぁー

 弱い人間が救いを求めて何が悪い!
毎日何度もそいつに心を殺されてんなら、いつかはそいつを殺したくなるのが当然じゃないか!
そうしてやって何が悪い!」


 目の前の三宅環は、興奮しながら一気に喋ったかと思うと、『フフフ』と不敵な笑みを浮かべ、挑戦的な眼差しで私を見た。

 「三宅さん……どうしたの?」

 急変した彼女に唖然としてしまい、やや怖気づいた口調になる自分が居た。
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