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溶かされてみる?
第9章 それぞれの愛のカタチ
〈Reo's Story〉

ご飯の時からあたしの方を見ては、すごく傷ついた顔をしていた黎泱先輩。
きっと黎泱先輩は、あのことが起きてから自分のことを責めているんじゃないかとあたしは思った。

「ちょっと話しませんか!」
あたしは笑顔で黎泱先輩に言うと、黎泱先輩はどうぞと部屋に通してくれた。

「どうかしたの?」
黎泱先輩は扉を閉め、あたしの方を向きながら困ったような顔で聞いた。

ほらまたこの顔…

声は明るいが、黎泱先輩の顔はひどく傷ついた顔をしていた。
いつも明るくて優しいこの人に、こんな顔させたいわけじゃない…

あたしはとっさに黎泱先輩のそばにより
「黎泱先輩のせいじゃないですよ?」
と黎泱先輩の頬に手を当てて言った。

「え…」
不意をつかれたように黎泱先輩はあたしを向いた。

「黎泱先輩、すごく傷ついた顔してますもん。あたしあのことがあって、周りの人のありがたさが知れたし逆によかったな思ってます。」
その分迷惑もかけちゃったんですけど…と笑ってあたしは黎泱先輩に言った。

「なんで…そんな前向きになれちゃうかな…」
黎泱先輩の頰に当てていたあたしの手を握り、黎泱先輩はあたしを抱きしめた。

「黎…泱先輩…??」
あたしを抱きしめた黎泱先輩は少し震えていた。

「俺のせいで、あんな怖い目にあったのに…身体もこんなに傷つけられて…もし暁翔が見つけてくれなかったらって思うと…」
俺は…と言って黎泱先輩はあたしを抱きしめていた腕を強めた。

「黎泱…先輩?あたしはここにいますよ、それに黎泱先輩も守ってくれました。あたしすごい嬉しかったです。」
あたしは黎泱先輩を抱きしめてそういった。

黎泱先輩はあたしの首元に顔を埋めた。

あたしは大丈夫だから…
お願い、そんなに自分を責めないで…

あたしは黎泱先輩の頭を撫でながら、抱きしめ続けた。
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