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溶かされてみる?
第2章 始まり

「「はぁ…はぁ…」」
あたし達は迫先輩の追っかけを撒きつつ
やっとの事で屋上に着いた。

「何なんだよ、あのファンクラブ! うるせーし!」
煌城先輩は迫先輩に向かってめちゃくちゃ文句を言ってる。

「なんてかここ本当に学校…?ホストなんか?」
融那も呆れながら疲れたと言って寝転んだ。

「普通の時は全然普通なんだけどね〜〜」
あははって笑いながら話す自称王子

今の状況ではその笑顔は何だか憎たらしく感じる。

「ってか!迫先輩!用事って何だったんですか!」
あたしはやっとの事で本題に戻した。
あたし鬼ごっこ朝からするのが目的じゃなかったんだけど!

「そうそう〜〜恋ちゃんさ、聖蘭さんから家の話聞いた〜?」
独特の緩〜いテンションで迫先輩が言った。

え、てかそもそもだけど!
「あのさっき煌城先輩も聖蘭さんって言ってましたけど、あたしの母と2人とも知り合いなんですか??」

あたしはさっきからそこが1番引っかかっていた。
あたしですら先輩らと話すのこれが初めてなのに
なんでお母さんの名前でてくる?!

「あはは!ほんとに何も聞いてないんだねえ〜〜、聖蘭さん再婚するって話聞いた??恋ちゃん〜〜」
聖蘭さんのことだから、スレスレのとこで説明せず寝落ちしちゃってそうだけどって迫先輩は笑いながら言った。

えええ?!!!再婚?!!
聞いてない聞いてない聞いてない!!

てかほんとに朝なんか話そうとして寝落ちしたよ!確かに!まさかそのこと?!!

「え、そうなの恋?!! 初知りだけど!!」
寝転んでいた融那が驚きながら飛び起きた。
「何も聞いてないよあたし…」
もう朝から色んなことがありすぎて驚く気力すらなくなっていく。

「ってことはお前が今住んでる家なくなるから、お前はシェアハウスに住むって話も聞いてねえの?」
煌城先輩が立て続けに驚きの言葉を告げた。

え、今なんて言った?
お母さんが再婚する…??
あぁ…急に目眩が…

…バタッッ…

「恋?!!!大丈夫?!れーーーーん!!!!」
「あれ?!気絶しちゃった?!」
「おい!起きろおい!!」

朝もろくに食べれなかったし…
行きもダッシュ、今もダッシュでヘトヘトだし
急に再婚話はされるし…

一気に色々あったあたしは
いきなり告げられた話に頭と体が追いつかず
目が覚めたら全部夢であったことを期待して
意識を手放した。

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