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溶かされてみる?
第9章 それぞれの愛のカタチ
「いらっしゃいませ」
「すみません、依都瀬ですが…」
「彰さん、いつもありがとうございます。こちらへ」

店内は美味しそうなケーキ達が彩りよくショーウィンドウに飾られ、あたしは虜になっていた。

あれも美味しそう…これも美味しそう…
そう思いながらショーウィンドウを見つめていたあたしを彰さんは微笑むように見ていた。

「あとで選べばいいさ、おいで」
あたしの手を引いて店内の個室へと向かった。

ガチャ
「こちらでお待ちください。」
「ありがとうございます。」
「あっありがとうございます!!」
ついあたしも、お礼を言ったがこの雰囲気にとても場違いな気がするあたし…

「あの…彰さん…えっとここは…」
あたしがしどろもどろに話そうとした瞬間

ガチャッ…

「Jyo〜〜!!!会いたかったよ〜!!」
?!!!!?!
がばっ!!

入ってきた謎の人物は彰さんに抱きながら笑顔で言った。

「や、やめろ!テオ!!」
「久しぶりの再会なのにそれはないでしょう〜??」
抱きついてきたテオと呼ばれる男の人を彰さんは必死に自分から引きはがしながら、言い合っている。

…えっと…どういう…

「ん??」
目の前の光景にどうしていいかわからず呆然としていたあたしを見てテオと呼ばれる人はあたしに近づいてきた。

「誰なの、この小娘は!」
「えっ!!」
初めからあたしの印象悪!!泣

ついそう言われたあたしはテオと呼ばれる人に向かって驚きの声を上げてしまった。

っていうか…テオって人すっごい綺麗な人…

「恋、そいつの相手はしなくていい!!」
やっとの事でテオと呼ばれる人を引きはがせた彰さんは、あたしとテオという人の間に立ってそう言った。
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