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溶かされてみる?
第9章 それぞれの愛のカタチ

「恋…」
隣で寝ている彼女に布団をかける。

まだ顔が赤いですね…
さっきの情事を思い出しながら、私は彼女の頰にふれる。

「ん…」
少しくすぐったそうにし、眠る彼女
こう見ると変わらない、あの頃と何も。寝顔も寝方も声も。

「ただ…」
…一番大切なことが変わってしまった。

「昔からずっと好きだった…」

恋の私たちとの過去の記憶はない。
私達と過ごした思い出は消えて、今こうして再び関わるようになっても私達からしたらまた関われると思うのに、彼女からしたら初めて関わることになる。

「もどかしい…」
そう思いながら、彼女の髪を撫でる。

大切なのは今だ。
今の彼女に好きになってもらわなければいけない。

気づけばうとうとし始めた私はそう考えながら深い眠りに落ちた。

〈Toya's Story fin〉
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