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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢

朝共に分かれたはずのみんなだった。

「今回の文化祭は例年と違う…!出店の人気が高かった上位3クラスまでが褒美をもらえるぞ!!!」
って事でちょっとツテを使って…集めたぞ!と笑顔でガッツポーズをする橋。

いやいやいや!!
どんだけ有志ありっつってもこれは…

トップイケメンと呼ばれる黎泱先輩、律先輩、暁翔さん、皐君を含め、歴代生徒会長の遠哉さん、数々の部活で武勇伝を残した彰さん。
どの人も如月高校では有名でみんなの注目の的だった。

「これで俺らのクラスの執事メイド喫茶も盛り上がる事間違いなしだ!!」
橋は呑気に笑いながら、じゃあ俺は買い出し行ってくると教室を出て行った。

教室はいたるところから響く様に黄色い声が飛ぶ。

「恋…あんた…」
融那はあたしを向きながら唖然とした様に呟く。
「なななに!!!」
「…愛されてるわね…」
ニヤリとあたしに向けて黒く微笑む融那。

「な、なにを考えて!!」
必死に融那を抵抗しようとした声は黄色い声にかき消される。

「きゃーー!!王子ー!」
「あたしこのクラスでよかったあ!!」
「依都瀬さん!!」
「白衣のエロさッ…!」
「煌城先輩〜!!」
「橘花くーん!!」
「やばい…吾妻さんと目があった…」

飛び交う止まらない歓声。

そうだよ。つい前まではそっち側のあたし人間だったよ…
そう思いつつふとみんなに目線を向けると笑顔でこっちを見ていた。
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