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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢
「み〜つ〜け〜た〜ぁぁぁ!!」
「おい黎泱!律!!」
歩くあたしたちの目の前からすごい血相をして迫る人。
なになになに?!!お化け?!
服は血だらけで、顔はメイクなのだろうがものすごくリアルにえぐれている。
「おっ!おっ!お化けええええ!!」
お化け…いやああいう幽霊とか怪奇現象とかそういう類のものが大嫌いなあたしは、咄嗟に隣にいた黎泱先輩にしがみつきながら後ろに隠れた。
「あ」「あ〜」
律先輩と黎泱先輩はその人たちを見て、何かを思い出したかのように声を出す。
「ゴーストハウスううう!!」
「お前らこっちが本業だろうがあああ!」
おそらくクラスメイトなのだろう。
ずっと探していて疲れていたのか、ものすごい剣幕だ。
「あっ…ちょっと!すぐいくからッててて…!!」
「ちょ!待てよおい!おいって!!」
すごい剣幕のクラスメイトに引きずられるようにして、律先輩達は運ばれて行った。
「あ…ごごご愁傷様です…」
あ、恐ろしや…
あたしは心の中でくわばらくわばらと唱えながら、2人が去った方を見ていた。