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溶かされてみる?
第10章 惑う心と誘う夢
「ははっ!おもしろ〜い」
皐君が横で2人の去る方を見ながら笑う。
「てめ…!皐!あとで覚えとけよ…!」
「あーあー、野蛮な男の声なんて聞こえなーい」
手で耳を塞ぎながら、あーあーと皐君はしている。
「橘花…??」
「ひっ!!」
さっきまで優越感に満ちていた皐君の表情は、あたし達の後ろから聞こえた声により一変する。
「お前…休憩所ナンバーワンで通してんだからさ…出てくれないと…ねえ?…困るわけよ…?」
後ろから現れたこちらもおそらくクラスメイトなのだろう、男の子は皐君の肩をがっしりと掴みながら、耳元で威圧している。
「あと少しだからね?!」と必死に皐君は抵抗するが
「…却下。」
「あああ〜!!!待って〜!!ちょ!乱暴!!」
皐君はクラスメイトの子に首に手を回され、ひきづられるように連れてかれた。
「何やってんだあいつら」
その光景を見ていた暁翔さんが呆れたように言う。
「あいつららしいけどな!」
彰さんはそういって笑う。
「じゃあ私達はその分回りましょうか」
遠哉さんが文化祭のパンフレットを広げながらあたし達に言う。