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第11章 嵐の予感

「りっくんは昔からぶっきらぼうだけど優しいです、でもその反面人一倍寂しがりやだと思います。」

あたしは昔を思い出しながら胡乃さんに真剣に話す。

「私は…ずっと律に寂しい思いをさせてたのね。」
「胡乃さんがお仕事頑張ってて、たまに帰ってきた時のりっくんすごい楽しそうでした。お母さんが帰ってきた!ってすごい嬉しそうな顔して」
「昔から不定期にしか帰ってこれなかったから…」
「りっくんだって胡乃さんが頑張ってたことちゃんとわかってますよ」
あたしはどんどん悲しい顔をしていく胡乃さんに優しく言う。

「律はきっとわたし達両親のことあまりよく思ってないわ…」
「そんなことないです。りっくん、ほんとは昔みたいに嬉しい気持ちなはずです。でも、今ちょっと素直になれてないだけですよ」
「恋ちゃん…」
「とにかく!!このままなんてダメです!ちゃんと話し合ったらお互いの気持ちが通じ合うはずです!」
あたしは胡乃さんの手を握ってそう言った。

「あの子…私と話してくれるかしら…」
「あたしりっくんと少し話してきます。だから胡乃さんは安心して待っててください!」
きっと連れてきますから!とあたしは笑顔で胡乃さんに向けてピースサインをする。

「…ありがとう、恋ちゃん…」
涙ぐむ胡乃さんを抱きしめて、あたしは律先輩を探しに行った。
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