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溶かされてみる?
第11章 嵐の予感
「俺…ちゃんと話してくる」
落ち着いた律先輩はあたしの腕の中でそう言った。
「うん。りっくんなら出来るよ」
「ありがとな、恋」
律先輩はあたしから離れると、さっきとは違う晴れた表情であたしにお礼を言った。
「あたしは何もしてないよ」
「お前がいたから踏ん切りついた」
「ならよかった…」
あたしは胡乃さんが中庭にいることを律先輩に伝えた。
「ん。行ってくる」
律先輩はあたしの頭をわしゃわしゃと撫でてそういい、屋上を出ていった。
りっくん…頑張れ…
あたしは進んでいく律先輩の背中に向けてそう呟いた。