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溶かされてみる?
第11章 嵐の予感
「胡乃さんとちゃんと話しよう…?」
「…」
「過去の時間は戻らないよ。けど今は変えられるじゃない」
「俺は…」
「それに、りっくんは1人じゃないよ…」
「みんないるよ、りっくんの側には」
律先輩はあたしの腕の中で少し震えていた。
こんなに弱気な律先輩…久しぶり見たな…
あたしは律先輩を優しく抱きしめる。
「あたしも側にいる」
「恋…」
「ん…?」
「恋…少し側にいてくれ」
「うん、いいよ…」
律先輩はあたしの腕の中で、小さな子どものように泣いた。
きっと幼い頃は泣かずに心の中で抑えてきたんだろう。
みんなやあたしの前では笑顔に振舞って。
そう思うとあたしも涙が溢れてきて、律先輩に寄り添うように一緒に泣いた。