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溶かされてみる?
第15章 大人の世界


「夜分遅くに申し訳ありません。私、社長…いや誠司さんの秘書を務めております。 吉野と申します。」
名刺を出し、深々と挨拶をする男性。

「あれ〜吉野さん珍しいね〜」
気になって後から来たのか、あたしの後ろには黎泱先輩が立っていて目の前の男性と話す。

「いらっしゃいましたか、黎泱くん」
そういいつつ礼をする吉野さん。

「吉野さんが来るってことはあれが届いたのか」
「はい。誠司さんから預かっております」

…会話が見えない。

「え、えっと…」
「あなたが恋さんですね。会話が進んでしまって申し訳ありません。」
「あ、いえ大丈夫です。」
「玖鵺のパーティーがいつもこの時期にあります。建前上会社のパーティーですが、夜会のようなもので」
「堅苦しいものじゃないから、いつもみんなと出席してるんだよ〜」
黎泱さんと吉野さんはあたしにわかるように事態を説明してくれる。

「は…はあ…」
「そして、私は社長から招待状を預かったというわけです」
「なるほど…」

さすが玖鵺コーポレーション…
スケールがでかいな…

別次元の話だなあなんて思いながら、吉野さんから招待状を受け取る。

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