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溶かされてみる?
第17章 招かれざる男
「あたしは2人の関係をよく知らないし、環鹿さん自身のことも全然知らない。けど環鹿さんね、とおくんとの写真大切そうに見てたよ」
「遥が…?」
「2人の仲が険悪になったままなのは、お互い辛いと思う」
あたしは真剣に遠哉さんに話す。
「…今からでも」
「うん…」
ずっと考えていて、ようやく話し始めた遠哉さんは少し弱気で。
「今からでも遥とは前のように過ごせるかな」
「ちゃんと話したら、きっと大丈夫だよ」
あたしは遠哉さんに微笑み、少し頼りなく見えるその身体を優しく抱きしめる。
「恋…」
遠哉さんも少しずつ前に進もうとする決心がついたのか、あたしを強く抱きしめる。
「とおくんなら大丈夫だよ。ちょっぴり冷たくて、他人行儀なくせに、天然さんなんだから」
「…褒められている気がしませんね。」
「んんっ」
遠哉さんは微笑みながらあたしの鼻を手でつまむ。
「ありがとう、恋。ちゃんと遥と話してきますね」
「うん。いってらっしゃいとおくん!」
部屋を出て行く遠哉さんの背中は、さっきとは違い、力強かった。