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溶かされてみる?
第17章 招かれざる男
遠哉・遥side
「ハッ…ハァ…」
…昨日おんなじ道を走った時とはまた違う気持ちだった。
恋があんなに怖い目にあったのに、私たちのことを気遣って背中を押してくれて…
もうこれでいいかなんて都合よく終わらせない。
そう思い、昨日訪れた久しい友の家のインターホンを押す。
ピンポーン…
…
ガチャ…
「…なっ…なんで遠哉が…」
もう訪れることはないと自分も思っていたが、きっと遥もおんなじことを思っていたんだろう。
「ちゃんと話をしにきました」
でもここでまた遥の気持ちをちゃんと聞かずに終わってしまったら、前とまるで変わらない。
「恋ちゃんになら…手は出してないよ」
「それは恋に聞きました。それに確かめました」
「た、確かめましたって…、…っぷ」
緊張の糸が切れたのか、目の前で遥は笑い出す。
意味がわからなくてつい怪訝そうな顔を遥に向ける。
「いや、ごめん。笑うつもりはなかったんだけど…ふふ」
「…なんですかいきなり」
「俺てっきりまた殴られるのかと思った」
「そんなに殴られたいんですか?」
「ははっ…やっぱり変わんないや、遠哉は」
そう言って遥は散々笑った後、落ち着きながら私に話す。
「俺、つまんないプライドで遠哉のこと傷つけた」
「私も発言が良くなかったことがありました」
お互い自分の非をさらけ出しながら、真面目に話す。
「無性に遠哉が羨ましくなって、その反面すげえ憎かった」
「すみません」
「けど離れてみて思った」