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溶かされてみる?
第18章 フクザツな乙女心
「ー俺は今も昔も恋が好きだ」
…一瞬時が止まったかと思った。
立ち止まった彰さんはあたしの方を振り返って
真剣な瞳でそう言葉を放った。
「んなこと冗談でも言われると傷つくぞ」
少し怒っているのか言い方は厳しく
彰さんはあたしを見つめる。
「…じょ…彰さん…」
色々考えては言葉が喉の奥で引っかかってて
やっと出た言葉は、彰さんの名前だった。
あたしこんなにいつも緊張して喋ってたっけ…
「…悪い俺もムキになりすぎた、少し頭を冷やしてくる」
これ、渡し忘れてたとあたしの手元に
彰さんはあたしの携帯を置いた。
「あいつら多分もうホテルいるだろうから」
電話したら迎えにきてくれるはずだと言って、
彰さんはそのまま歩いて何処かに行ってしまった。