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溶かされてみる?
第18章 フクザツな乙女心
…当たり前だよね。
自分が言った言葉に自分でも傷ついてるくせに…
自業自得な自分の行動に呆れながら
道端に石ころを見つけ軽く蹴る。
「…そんな速度で帰ってっと、夜が明けちまうぞ」
「…!! り…っくん…」
石ころが転がった先の壁際には、
律先輩が壁に体を預けながら立っていた。
「なに泣きそうな顔してんだよ」
そう言いながら律先輩はあたしの方に近づいてくる。
「そ、んな顔…してない」
「んな顔で言われても説得力ねーっての」
「…してないってば!!」
…あ…
気付いた時には遅く、
あたしは逃げ場のない気持ちにモヤモヤして
つい律先輩に当たってしまい、強い言い方をしてしまった。
「お前な…」
ズンズンと近づいてくる律先輩の表情は明らかに怒っていて、
怖くなったあたしはとっさに下を向いた。
トンッ…
「った…」
強くはない、優しいチョップがあたしの頭に入った。
「…なにを色々悩んでんのかは知らねーけどさ、もー少し俺らを頼れよ」
「へ…?…」
まさかそんな言葉がくるなんて思わなかった。