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溶かされてみる?
第18章 フクザツな乙女心
「…なんでりっくんがいるの」
律先輩の言葉が嬉しかったくせに
どうにも素直になれなくて、つい可愛げのない返事をする。
「遠哉に連絡入れてただろ、けどあんまりにも帰って来ねえから」
「ちゃんと帰ってたよ」
目の前まできた律先輩をちゃんとみて話すことができなくて
あたしは石ころを足で転がしながら話す。
「…なぁ」
「わっ…!!」
いきなり律先輩から近くの壁際に追いやられた。
「なんで目合わせねーの」
「あ、合わせてる「合わせてねーじゃん」
「…ッ!」
今の今まで目をそらし続けていたが
突如律先輩があたしの顎に手を添えて自分の方に向かせた。
どうしてこうもじょー兄といい
こんな真剣な瞳で見つめてくるのだろうか。
ーまるであたしの卑怯さを咎めるみたいに…