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溶かされてみる?
第18章 フクザツな乙女心

部屋向かい、もうすでに部屋の扉は開いていて

「恋、おかえりなさい」
「おかえり恋ちゃん」
遠哉さんと黎泱先輩が出迎えてくれた。

「…ただいまです」
あたしはしどろもどろにそう答えた。

「散歩にしちゃ〜遠くまで行ってたみたいだね」
黎泱先輩は笑顔だが、その表情の裏には何かを勘付いたようなそんな言い方だった。
「あはは…気づいたら結構行ってみたいで…」
理由にしちゃ強引すぎた理由かな…
そう思いつつ、すみませんと謝ると、
謝らなくていいよ!
恋ちゃんこうやって無事だったんだしと黎泱先輩は言ってくれた。


「昼間はすみませんでした」
遠哉さんがあたしたちの光景を見ながら
申し訳なさそうに謝ってくる。

「いいんです!ほんとに大丈夫ですから!!」
確信がそこにもかかわらず、あたしは平然な振りを装う。
「せっかくみんなできたのに全然回れなくて」
「遠哉さん気にしないでください!ほんと!」
今日に限っては遠哉さんのその謝罪が胸に刺さる。

会話にどうしようもない間ができてしまったその瞬間…

ガチャ…ッ…

「ただいま…」
玄関の扉が開く音が聞こえ、誰かがそう呟いた。

もしかしなくても…あの人だよね…
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