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溶かされてみる?
第20章 デートという名の争奪戦?
「ありがとうございます!!」
「ありがとうお姉さん〜」
あたしたちはそうして、カフェを出た。
…
カフェを出てからというもの、
先ほどの小悪魔オーラ(もうただの黒いオーラ)を放っていた
こうちゃんから逃げるようにあたしは前を歩いていた。
「恋ちゃん」
「…」
「恋ちゃーん」
「……」
「…振り向いてくんなきゃ襲うよ」
「な!」
「あ、やっと振り向いた〜」
ひ、ひっかけられた…
「なに、こうちゃん…」
「なんでそんなに怒ってんの〜」
「それは…こうちゃんが人前で!!」
そしてあたしもこうちゃんに怒っていたのも事実。
「あんなに良さそうな顔をしてたのに?」
「わ…!」
いきなりこうちゃんはあたしを抱きしめる。
「恋ちゃん」
抱きしめた後、こうちゃんは耳元であたしの名を囁く。
「…じゃあなんでこうちゃんは怒ってるの?」
あたしはこうちゃんを見つめてそう言った。
「え…」
こうちゃんの瞳が揺れた。
「途中からすごい怒ってた…気がする。」
「それは…」
「ん…?」
こうちゃんは急に顔を赤らめ出した。
ん?どうしたんだろ。
急に照れはじめたこうちゃんが可愛くて、ついいじめたくなる。
「なんで?? こーうちゃん?」
あたしは恥ずかしがって背ける
こうちゃんの顔を見つめながら聞く。
「…恋ちゃんが全然嫉妬してくれなかったから」
「へ…?」
「他の女の人に、ちょっと優しめに接したのに、恋ちゃん全然妬いてくんなかったもん」
ー何この可愛い小動物感。
ついついこうちゃんのことを可愛いと思ってしまったのは
今の雰囲気的に場違いだろうか。
「俺意識されてない?」
「そ、それは…」
「意識されてないって好きなやつに聞く時点で、男として失格だろ」
突如聞こえた重みのある声。
「なぁ、皐?」