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溶かされてみる?
第20章 デートという名の争奪戦?
「もうこうちゃん必死すぎ!」
「…そんなこと言うんだ、恋ちゃん」
明らかにさっきまでとは違うトーンの声を出す
こうちゃんの方を向くと
獣のような目をしたこうちゃんと視線が交わる。
「え…やっ…こうちゃ!」
その瞬間、
こうちゃんはあたしの切った人差し指を
自分の口に含み、舐めはじめた。
「ん…っ、やだ、」
傷の場所を包み込むように、撫でるように、
優しく舐めていくこうちゃん。
ーやだ、なんであたし…
こんなにも感じてしまうのだろうか。
「恋ちゃん…俺、指消毒してるだけだよ?」
こうちゃんの挑発的な顔、
でも艶のある声により一層あたしは犯されていく。
ちゅ…く…ちゅ…ぱ…っ
こうちゃんが切れた指じゃない指まで
丁寧に舌で舐めあげていく。
「こ、ぅちゃん…も、いいから…」
「ほんとに…?恋ちゃんすぐ隠すから他の指もちゃんと見なきゃ」
そう言ってこうちゃんはあたしのもう片方の手、左手を掴んだ。
「…あ、あああの!!」
ーデジャヴ…
声のした方を向くと、
さっき消毒といって救急箱を取りに行ってくれた
ウェイトレスのお姉さんが立っていた。
「…っ!! ご、ごごごごごめんなさい!」
あたしは恥ずかしくなって左手を振り払い、
こうちゃんと離れる。
「……お姉さん、ありがとう〜」
ー嫌な予感。
今のこうちゃんの間は…
そう考え、背けた視線をこうちゃんの方に戻す。
……怒ってる…
お姉さんには天使モード全開で絆創膏を受け取っているこうちゃんだが、ただならぬ背後から小悪魔オーラが漂っている。
「お姉さんすみません、ありがとうございます…」
「いえいえ!!むしろ何から何まですみませんでした!!」
「いえ、そんな!ほんとこちらこそすみません…!」
「彼女さんもこんな素敵な彼氏さんがいて幸せですね!応援してます!」
「えっと、こうちゃんは…っ」
「そうなんです〜俺らすごいラブラブで〜」
あたしとお姉さんが話していた間に
こうちゃんが入り、あたしを後ろから抱きしめ、
頭をあたしの頭の上にコツンと乗せながら言う。
「こ、こうちゃん!!」
「これ、お詫びと言ってはなんですが…」
お姉さんはお代は大丈夫ですのでと、
あたしたちにアトラクションや、おみやげ屋さんで使える優待券のセットをくれた。