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溶かされてみる?
第20章 デートという名の争奪戦?
りっくんに連れていかれそうになり
慌てて後ろを振り向いた先には
りっくんを見て悔しそうにしているこうちゃんの顔が見えた。
「こうちゃ…」
「俺がいるのに他の男の名前を呼ぶんじゃねぇ」
「きゃ…っ!…変態!」
担がれて無防備だったあたしのおしりを
りっくんは指でつー…っと撫で上げる。
「あいつはあんくらいで丁度いいんだよ」
いつも俺のこと馬鹿馬鹿いいすぎと
りっくんは少し拗ねたように言いながら
あたしのおしりをポンポンと叩く。
「一々、触んないでってばりっくん!」
「あー悪い悪い。ついつい触り心地いいケツがあるもんで」
「反省してない!!」
もう!勝手なんだから!!
怒るあたしを見ながら、
それはそれは楽しそうに愉快な顔をするりっくん。
そんなやりとりを繰り返しながら
りっくんが目指す方へとどんどん進んでいって…
すごいさっきから視線を感じるんだけど…
特に女の人…なんか…ん…?
って!!!!
「りっくん、それより下ろして!!!」
あたしおしりに必死で、担がれてたこと忘れてた!!
「いやだ」
「いやだって…!恥ずかしいから!」
下ろして下ろしてって今日で何回目よ…ほんとに…
「恋が変な男から目つけられないための最高のマーキング」
「そんなもの、いーりーまーせーん!!」
「へぇ〜じゃあこんなこと誰にでもされていいってわけか」
「そ…そういうことじゃない!!」
さっきから楽しそうに笑ったり、
かと思いきや、今みたいにいきなり不機嫌になったり…
りっくんは本当に何考えてるの!!
「わかったよ…ったく」
あまりのあたしの必死さに根負けしたのか
しぶしぶと担いでいたあたしを下ろすりっくん。
「これで満足か?」
「あ、ありがとうりっくん」
いや、ありがとうっておかしいだろあたし。
むしろ一方的に担がれたんだよあたしは…
満足か?と聞いてきたりっくんが
不意に優しい笑顔を見せるから、
ついついお礼まで丁寧に言ってしまった。
「恋、おばけ屋敷あるぞ」
りっくんはニヤニヤしながらあたしにいう。
「え!!やだ怖い!!無理!!」
あたしが苦手だって知ってるくせに…!
「はい強制。」
あたしを強引に引っ張り連れて行こうとするりっくん。
「やだやだやだあー!!!」
そんな抵抗も虚しく、
明らかに不気味で、暗くそびえ立つホラーマンションへと連れていかれた。