この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溶かされてみる?
第20章 デートという名の争奪戦?
…
結構歩いたな…
ずっと歩きながら無言だったあたしたち。
彰さん、怒ってるんだろうけど
そろそろあたしも理由わからなすぎて
あたしもふつふつと怒りが…
「ごめんな」
「え?」
やっと彰さんが口を開いたと思ったら
それは謝罪の言葉だった。
「…なんで怒ってるのか、聞いてもいい??」
「ごめん」
彰さん…泣いてる?
「じょー兄こっち向いて?」
「嫌だ」
「(ムカッ)」
口を開いても結局会話は進まず、雰囲気も変わらない。
ここはもうあたしから突入してやれ!!
あたしは、あたしの手を引いていた
彰さんの手を思いっきり引っ張った。
「うわっ!!」
驚いて彰さんはあたしの方を見る。
「なんで泣いてるの、じょー兄。」
「泣いてない。…ただ」
「…ただ?」
「ただ情けなくなっただけだ。」
この瞬間、初めて彰さんと目があった。
いつもの明るさを灯していない、なんとも薄暗い瞳。