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溶かされてみる?
第20章 デートという名の争奪戦?
「恋が好きで、笑顔にさせてやりたいとか、幸せにしてやりたいって考えるのに、」
「他の奴らが恋を笑顔にしてるのをみて、無性に腹が立って、それと同時に俺は恋をあれだけ幸せにしてやれるのかって自信がなくなっていって、」
「今だってあの場で見つけたテオにも嫉妬して、勝手に連れ出して、自分からこんな空気にして」
「…ほんとに情けなくて、申し訳ない、恋」
…
「…バカ」
「え…?」
「バカだよ、じょー兄。」
「…恋?」
じょー兄は全然わかってない。
小さい時から、その太陽みたいな笑顔に、性格に
何度あたしが助けられたかわからないのに。
「じょー兄は自分の魅力に、全っ然気づいてない!!」
「確かに、じょー兄たまにおかしいこと言うし、不器用なとこもあるよ。…けど」
「それ以上に、いっつもお日様みたいな笑顔でみんなのこと癒してくれて、あったかい心であたしたちに接してくれて、困った時はいっつも助けてくれて、」
「そんなじょー兄だから、あたしはいつも一緒にいて楽しいし、自然に笑顔になるし、何よりも幸せなんだよ」
「!!」
彰さんの瞳が見つめあう中、揺れた。
「情けなくなんかない、そんなとこも含めてあたしは大好、きゃっ!!!」
急に彰さんから抱きしめられた。
「じょー兄??」
「恋にあんなに言われるまで、自分見失うとか、やっぱ男じゃねえよな」
そう囁いた声はさっきの悲しそうな声とは変わって、
いつもの彰さんの優しい声に戻っていた。
「ありがとう、恋」
「…うん」
やっぱりじょー兄の腕の中、昔から安心する。
「あ、でも、次そんなこと思って勝手に怒ったらもう知らない。」
幸せを感じる中、最後の最後で彰さんに意地悪をしてみた。