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第20章 デートという名の争奪戦？

「郁！！良かった…ほんとにいて良かった…」
いっくんの姿が見えると
お母さんは安堵したような声でそう言った。

「お母さん…！」
いっくんはあたしの抱っこから降りて、
お母さんのもとに駆け寄った。

「あなた…恋ちゃんね。」
「は、はい！！恋です！！」
「暁翔から話は聞いてるわ、いつもお世話になっております」
母のあすかと言いますとご丁寧に挨拶をしてくださった。

「いやいやいやいや！！むしろ！あたしの方がお世話になってて、そんなほんと、はい！！」

美人すぎて口が回らない！！
しかも話ってなんの話？！！

「恋焦りすぎだから、落ち着け」
「だっ…だって、すっごいお美しいんだもん…！！」

あ。
すっごい大きい声で言っちゃった…

「ぷ…ふふふふ。そんな大きい声で褒められると照れるわね…」
「いや、ほんと肌なんか陶器みたいにツヤツヤだし、目すごい大きいし、足細いし…、ほんと絵の中の人みたいです…」
「はははは！！ほんと恋…ツボだわ…ッ」
「もう！！暁翔さんは黙っててください〜！！」

もう〜いろんな墓穴掘っちゃって、
穴があったら入りたいくらいだよ…

「…ほんと郁をどうもありがとうね、あなたのおかげで救われたわ」
「いえいえ、楽しかったですよいっくんと回るの！！」
「恋、ありがとう、今日」
「いいよ、いっくん〜！また遊ぼうね！」
「…次は恋とデートする」

「え？」「は？」「ん？」
あすかさん、暁翔さん、あたしの3人とも
いっくんが発した言葉に驚く。

「恋は俺のお嫁さんにする」
「…え？」
いっくんがあたしの方を向いて真面目にその言葉を言った。

「あら…人嫌いの郁がここまでいうだなんて…私楽しみだわ…」
いやお母様！そこ楽しみじゃなくて心配してあげて！
その子すごいこと言ってるから！！

「郁なんかに渡してたまるか」
「わ！！」
急に隣にいた暁翔さんに抱きしめられた。