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溶かされてみる?
第21章 流れていく時間
「はぁ〜…」
最近みんな揃わないなぁ。
前よりも強くみんなのことを思いはじめた分、
前よりももっと強い気持ちで寂しさが濃くなった。
「うわ、なにその辛気臭い顔。」
あたしの前の席に座る融那が、振り返り際に爆弾を落とす。
「融那、おはよ…」
「ははーん…そのテンション、その顔。」
さては野獣絡みね!と、
なぜか融那のテンションは
あたしとは真逆で上がる一方で…
「ったく、いつも元気な恋がそーんな朝から情けない顔して…」
と融那は呆れた顔をした途端、急にあたしの口の中に何か突っ込んだ。
「んっ…!!」
なにこれ…甘い…??
「じゃじゃーん!チョコレート〜」
今日の融那はえらくテンションが高い。
「おいし…い」
なんでかその甘さが、すごい心にしみて。
「泣きそうになってるとこ悪いんだけど…」
融那が申し訳なさそうな顔をして、
あたしの耳元に顔を近づけてきて…
「それ…失敗作。」
???
ごめんと謝る融那。
「いやいや、美味しいよ??」
チョコ作ったんだとあたしは融那にチョコを食べながら言う。
「何てこった…。あのイベント好きな恋が…この時期のチョコの存在を忘れてるだって…?!!」
「何の話…?? 融那チョコありがとう美味しい」
訳わかんないけど、融那のチョコ美味しいからいいや。
「恋。放課後うちに来て。これ絶対ね?良いわね!!」
「へ…??いいけど…」
こうして話の意味がわからないまま、
あたしは半ば強制的に
放課後、融那の家に行くことになった。