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貴方だけに溺れたい
第2章  田舎同居嫁

駐車場で森川と別れ、葵は入場口から一番離れた場所に停めた車へと向かった。

時刻は11時になろうとしていた。
ブナ林を出た後に自分のスマホを確認して驚いたが、彼と過ごしていた時間は思っていた以上に長かったらしい。
「1時間位しか経ってないと思ってた」と言った葵に対して森川は笑っていたが、彼にとっての時間の感覚はどうだったのだろうと思う。

じりじりと照り付ける太陽とアスファルトの熱気に包まれながら、葵は自分が来た方角を振り返り、入場口の脇に前向きで停められた白のSUVを見た。
靴を履き替えた森川がちょうど園内に向かうところだったようで、ロックされたSUVのバックライトが点滅した後、こちらを向いて軽く手を振った。

本当に気さくな人だなと思う。
同じように手を振り返す事に躊躇はしたが、控えめに右手を挙げて森川が入場口へと入っていくのを見送った。

身長が高いせいもあるのだろう。
遠目に見ても目を引くタイプの人だと思う。
けして美形という顔立ちでは無いけれど、精悍で男らしい風貌には大人としての余裕や落ち着きがあり、穏やかな物腰や口調には嫌味の無い品性のようなものが感じられた。

そこにきて、あの気さくさと笑顔だ。モテるだろうな……とも思う。

名刺に記されていた会社の住所で分かってはいたけれど、東京の中心地で生きてる人は、あんな風に洗練されていくものなのか……というのも森川に対する葵の印象だった。

もっともそれは自分の夫や周りの男達と比べて思った事だが、そんな環境に身を置いている自分自身も、たいして変わりは無いのだろう。

彼の目にはどう映っていたのか……。

そう考えると、数分前まで彼と向き合っていた自分が、とてつもなく恥ずかしく思えてくる。
ウォーキングのつもりで来たのだからトレーニングウェアなのは仕方が無い。

けれど化粧くらいは、ちゃんとすれば良かった……。





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