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貴方だけに溺れたい
第9章  喜びと切なさと、後ろめたさ

確かに"恋人設定"だからといって、人前でいちゃいちゃする必要は無いとは思う。
しかし普段通りでいれば、かなり他人行儀な2人に見えるかもしれない。
現にお互いの呼び名は『森川さん』『葵さん』のままだし、何よりも、"恋人設定"が決まった途端、森川が驚くほどのぎこちなさを発揮していた。

ただそれは、実際に工房で働く女性陣の反応を目の当たりにすれば、仕方が無いとも思えたが……。

「あーもう、やっと現れた!」

工房に上がるなり、葵と森川は5人の女性に囲まれていた。
見た目の年齢は1人を除き、4人は堤と同じ60代くらい。
ただ割烹着では無くエプロンをした、比較的お洒落なご婦人方と言っても良いような身なりの人達でもあった。

しかし葵の目から見れば、森川が現れた時の彼女達の反応は、森川自身が話していた"面白がられてる"というよりも、"愛されている"だとも思う。

「堤さんから連絡貰ってからずっと待ってたのに、いつまで経っても来ないから、こっちから出て行こうかって話してたところよ?」
「本当に綺麗なお嬢さんね。失礼だけどおいくつ?」
「あ、35です」
「ちょうどいいじゃない。ねぇ?森川君」
「ああ、まあ……」
「なに怯えてるのよ!あなた此処に来るといっつもそんな顔して、捕って喰われるとでも思ってるの?」
「いや、とんでもない」
「そんな身体で何言ってんのよ?もー相変わらずいい身体ね」
「ほんと」
「ねえ、こうして見ると2人共スタイル良いんじゃない?薔薇園の広告に合いそう」
「うーん。彼はいらないかな」
「架空の話をするのは止めて貰えますか?」
「顔がね。繊細じゃ無いから」
「そうねー、首から下ならアレなんだけど」
「ごめんなさいね、お嬢さん。いつもこんな調子なのよ」
「あ、いえ。楽しそうです」

現にご婦人方は葵に対しても好意的ではあったが、森川に対しては強い言葉とボディータッチで持て囃し、それはそれで面白いかもしれない。

森川自身も腕や胸を触られる事には馴れているのだろう。時折ひきつった顔を見せつつも、そこは大盤振る舞いな様子だった。

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