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貴方だけに溺れたい
第5章  枷

20時半過ぎ、職場であるデパートの専用出入口を出た葵は、駐車場の一番奥に停めた車へと向かった。
7時間の立ち仕事だったにも関わらず、不思議と足取りは軽い。
昨日までの自分と比べても、その気持ちは単純なほど清々しく変化していた。

話して良かった。
森川と過ごした時間を思い返せば、その一言に尽きる。
公園で会った事に関する"秘密"については、願望以上にあっさりと片付いてしまったが、後から思えば、彼はそれなりに察してくれていたのではないかと思う。

森川はあの飲み会の場に居たのだし、自分が見せていた態度にだって思う事はあったはずだ。
彼に対しては失礼な態度だったと思うけれど、自分が森川の立場だったとしたら『余計な事は言わないでおこう』と思うだろう。
あくまで推測ではあるけれど、彼自身が"強引だった"事に対してそんな話を聞かせてくれたのだから、そう解釈しても良いのだと思う……。

『正直に言えば、だいぶ焦ってたんだ。君に会うなんて考えてもみなかった事だからね。
ただ状況が変わってしまったような悪い予感はしてた。だから帰り際に様子窺い……言い方は悪いけど顔色を見に寄ったようなものだった。
まぁ、君と直接話せたらお陰でだいぶ落ち着いたつもりではいたんだけど、如何せん衝動的なところがあってね、確信を持ちたいばかりに、君の都合を考えず約束を取り付けたようにな形になってしまった』

しかし森川はそう説明をしてくれたが、あの時の事を振り返ってみても強引なところは一切感じなかったと思う。
それどころか、自分とは対照的に落ち着いて見えていたし、穏やかだった記憶しか無い。

そう答えた葵に対して森川は『君ほど表情豊かじゃ無いので』とからかい半分に話を終わらせてしまったが、穏やかな笑い顔の中で向けたその眼差しだけが、どこか挑発的で、印象的だった事を覚えている……。


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