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第25章 虎視眈々(ｺｼﾀﾝﾀﾝ)

「男が二人で食事なんて絶対下心あるからっ──」

「何もなかったじゃん…」

「絶対次にあるからっ…晶さん二回も行ってるじゃんっ！男なら期待するってっ…」

「次は断るっ」

「………っ──どんなに言いきられても信用できないんですけどっ!?」

激しく息が上がる──

正直言って、信用できなさすぎだっ！

「いいよ行ってもっ──…コソコソするくらいなら堂々と行ってきなよ」

「行かないよもう…」

俺の方が腹立ってる筈なのに晶さんの方が膨れっ面になってきている…

「行ってきなよ」

「行かないってばっ」

「晶さん行ったら俺も堂々と浮気できるし、行ってくれるとすげー嬉しいんですけどっ」

喧嘩腰のやり取りに鼻息が段々荒くなってくる…

晶さんは白い目を俺に向けた。
「……浮気したいならすれば？ どうせ別れるだけだし…」

「……っ!?…」

「生きてるうちにしたいことはするべきだよ…」

とうとう切り札出しやがった──

「真面目にしてて馬鹿らしいなら遊べばいいじゃん？…」

「───」

「可愛い娘、周りに沢山いるでしょ？あたしの為に手を出したくても我慢してたんだ？」

「してたよ……」

「……っ…」

「業界なんて俺好みの女だらけだしっ…」

一生懸命好きだって言っても結局こうなるんじゃ楽な方に逃げたくなるしっ…


いつも思う──

なんでがむしゃらに俺のこと好きだって言ってくれないんだろうこの人は──