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奴隷メイドオークション ~正しいメイドの育て方~ 改訂版
第17章  新しいメイド


 私は先に来た者として。指導する立場にならなくてはいけない。それもロリータなら尚更。
 深い溜息をついた。


 ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆


「お帰りなさいませ!」
 もう夕食も終わった自由時間。11時近くでパジャマ姿だが、ご主人様の帰りが気になり、階段に座って本を読んでいた。
 読んではいたが、内容は全く頭に入ってこない。だが、部屋にいるのが何となく落ち着かなかったから。
 暫くしてその先にある玄関で複数の声が聞こえ急いで走って行くと、執事とSPに腕を握られて止められる。夜中に窓を叩いて警報装置を作動させた前歴があるから、私もそう怒れない。
 確かに今はドアが開いていて、車寄せに停められた高級外車から荷物が降ろされている所。だが走って逃げても、SPにすぐ捕まるだろう。それに私は今、逃げる気は無い。
「お帰りなさいませ! ご主人様!」
 執事の手を振り切り、ご主人様にお辞儀をした。
「美桜。もうこんな時間だよ? まだ起きてたの?」
 ご主人様は、いつもは見た事のないシルバーフレームの眼鏡をかけている。普段より少し大人っぽく見えるが、すぐに外して胸ポケットに入れた。
「はい。お運びします」
 私は、ご主人様が新しいメイドと一緒じゃなくて安心している。
 気に入った子が、いなかったのかもしれない。
 何となく表情が綻んでしまった。
 ご主人様の横にあるアタッシュケースに手を掛けたが、全く動かない。まるで床に貼り付いているよう。
「な、に?」
「それは、美桜には無理だよ」
 ご主人様が笑っている。
 すぐにガタイのいいSPの男性が運んで行ってしまった。
「2億以上入ってるからね」
 ご主人様が耳打ちする。
「2億……」
 そんなに入っていたら、私にはとても持ち上がらない。それくらいは知っている。
「疲れたよ……」
 そう言ってご主人様が後ろを見ると、SPに抱きかかえられて入って来たのは、小さな女の子。まだ10歳くらいに見える。
 私は一瞬固まった。
 この子が、新しいメイドなんだ。


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