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奴隷メイドオークション ~正しいメイドの育て方~ 改訂版
第4章 奈々の事情
「お父さんとお母さんはぁ、奈々が出来ちゃったから結婚したんですぅ。18歳の時にぃ。お母さんはよくぅ、子供が出来なかったら、結婚しなかったって言ってましたぁ」
思うのは親の勝手だが、それを子供に聞かせるなんて最低。こんなに健気で可愛い子なのに。
「ここを出るのは、ハタチを超えるからぁ、もう家には絶対に戻りません。2億円以上渡されたんだからぁ、奈々を育てた分も、返せたと思ってるしぃ」
「奈々ちゃん……」
「奈々はぁ、お父さんとお母さんに売られたんです。安全な知り合いの家に行くってぇ、ウソつかれて……。もう、顔も見たくないですぅ」
言った後、奈々ちゃんはニッコリと笑った。
「奈々で良かったらぁ、お仕事について、何でも訊いてくださいねぇ。じゃあ、失礼しますぅ」
「ありがとう……」
軽く手を振ってから、奈々ちゃんが隣の個室に入って行く。それを見届けてから、私も個室へ入った。
気怠い思いで、ベッドへ転がる。
奈々ちゃんの生活環境も酷かったが、10歳の我が子をオークションに売るなんて。親なら、何としてでも子供だけは守ろうとするだろう。
ある意味、奈々ちゃんはそんな親から離れられて良かったのかもしれない。可愛そうだとは思うけれど。
奈々ちゃんの時給は知らないが、4億5千万円を返済するには私以上にかかるはず。
ロリータが好きで買ったご主人様が、20歳を過ぎた子をどう思うのだろう。
お披露目をさせられるような私達は、ご主人様のオモチャ。
奴隷以下。
それでも、ここからは逃げられない。
私は、深い溜息をついた。