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奴隷メイドオークション ~正しいメイドの育て方~ 改訂版
第4章  奈々の事情


 確か私は特上だと言われたのに、三億円。
「梨香さんがぁ、私は1億5000万だったって、怒ってましたぁ」
「梨香さんが、1億5000万?」
「はい。梨香さんはぁ、ショジョじゃなかったからって、言ってましたよぉ」
 梨香さんはスタイルもいいし、顔だって綺麗。だが、私と梨香さんを合わせて奈々ちゃんと同じ値段だなんて、ロリータは本当に高いんだ。
 私は何も考えずに感心してしまった。
 オークション前の部屋で男から聞いたのは、処女じゃない者は全裸でステージへ出されるという事。それは、価値が低いという意味なのだろうか。
 処女じゃないから価値が低いなんて、そんなことないのに。
 私のクラスにだってもう初体験を済ませていても、真面目で成績もよく、可愛くて性格の良い子はいた。
 それだけで、人間の価値を決めるなんて。
 オークションに出される子は、本当に人間として扱われていない。改めてそう実感する。
 ランドリー室を出て、2人で個室の方へ歩き出す。
「美桜さん。ロリータっていうのがぁ、どうして高いか知ってますかぁ?」
 私は素直に首を振る。
「人数が少ないからですぅ。奈々が出た時は、5人しかいませんでしたぁ。そのうち奈々と亜里沙さんを、ご主人様が買ったんですよぉ。2人でぇ、9億とかですよねぇ」
 奈々ちゃんが驚いた顔をした後、何故か一瞬、少し寂しそうに見えた。
「後からぁ、ロリータっていう子のオークションは、半年に一回しかやらないって聞いたけどぉ、どうしてだか、分かりますかぁ?」
「ううん……」
 値段が高いというのは、需要として多いからかもしれない。それならもっと開催するか、一回の人数を増やせばいいのに。
「ロリータっていうのは14歳まででぇ、中学生までですぅ。子供が危ないって思ったらぁ、養護施設に預けるって聞きましたぁ。そこなら、守ってくれるからってぇ」
 その手があったんだ。さらわれそうなら、淋しくても理由を話して施設に預ける方が安全。子供の為を思うのなら。
「奈々はぁ、ホントは、いらない子だったんですぅ」
「そんなことない! いらない子なんて、絶対にいないよ!」
 つい、言葉に力がこもってしまった。



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